「靴」のお話です。
子どものころは「速く走れる靴」が大人気でした。
おとなになると「脚のラインがきれいに見える靴」「おしゃれな靴」。
仕事をする上では「疲れない靴」「信用されそうな靴」。
靴を選ぶ基準もその時々で少しずつ変わってこられたのではないでしょうか?
こちらでは中高年と呼ばれる年齢からの「靴選び」についてお話させていただければと思います。
身体能力が低下してきた年齢ならではの「靴選び」の重要性、そして選び方のポイントをご紹介させていただきますので、お役立ていただければ幸いです。
中高年からの靴選びは「転ばない靴」
中高年が靴を選ぶ際に第一に考えたいのが
「転ばない」
という基準です。
なぜかと申しますと、中高年以降は歩く力が若いころよりも衰えてきているから。
自然に
・歩く速さが遅くなったり、歩幅が狭くなったりしてきた
・一定時間に歩ける歩数が減ってきた
・体幹が前に傾き、背中が丸くなってきた
・関節の動きが悪くなってきた
といった経験をするようになってきます。
これはごく自然な成りゆきですが、転倒する可能性が若いころより高くなるので注意が必要です。
そして、
転倒でもっとも怖いのは、頭を打つことです。
若い時は転んだとしてもとっさに手をついて頭を守れますが、年齢を重ねてくると難しくなってきます。
頭というものは、立っていれば地面から1m以上の高さにあります。
転んで勢いよく地面に打ちつけられると脳内出血など、取り返しのつかない損傷となることがとても多いでのす。
転倒予防のため足腰などを鍛えることも重要ですが、
それにプラスして「靴選び」でも転倒予防の策を講じていただくことをおすすめします。
「転ばない靴」の選び方
「転びやすい靴」と「転びづらい靴」の特徴は次のようなものがあります。
中高年が避けたい「転びやすい靴」
中高年のみなさまが履かない方がよい靴、つまり「転びやすい靴」の特徴です。
・底が滑る靴
・ヒールの高い靴
・つま先の尖った靴
・柔軟性の少ない靴
これらは、すべったりつまずいたりする要素をはらんでおり、転倒リスクが大きくなります。
このような靴は、中高年以降、特に身体能力が落ちてきた際には控えていただければと思います。
中高年におすすめの「転びづらい靴」
次に、おすすめできる靴、「転倒しづらい靴」の特徴です。
靴選びの参考にしていただければ思います。
・滑りにくい靴
底がつるつるではない凹凸がある靴は滑りにくく、すり減ると滑りやすくなります。
靴裏に絆創膏を貼っておく(つま先部分とかかと部分)と滑り止めになります。
・曲げやすい靴
屈曲性が悪いと疲れやすく、すり足になる傾向があり、つまずきの原因となります。
・靴底が広く地面に接している靴
安定している靴は、転びにくい傾向があります。
・つま先が少し上がっている靴
つま先が低いとちょっとした段差でもつまずきやすくなります。
つま先が少し反りあがっていることで、つまずきにくくなります。
・重量バランスの良い靴
つま先が重い靴はつま先を上げづらく、つまずきやすくなります。
また、軽い靴は疲れにくくすり足になりにくい傾向があります。
・サイズの合っている靴
足に合った靴は疲れにくく、事故の防止につながります。
「転ばない」以外の靴選びのポイント
最後に、転倒以外の靴のトラブルを防ぐため気をつけたいポイントをご紹介します。
・靴擦れしないサイズ
中高年になると糖尿病も増えてきます。
糖尿病を発症すると傷の治りが遅くなりやすいため、靴擦れしないようサイズ選びもより慎重に行う方がよいでしょう。
また、腎臓の疾患などで足がむくみやすい方、巻き爪の方なども、ストレスのないよう、血流が妨げられないよう、できれば靴の専門家と相談して選ぶことが推奨です。
・着脱しやすさ
マジックテープで固定できる靴は、脱ぎ履きしやすく、むくんだ時にも対応できます。
ただし、歩行時に脱げてしまわないよう着用時には十分気をつける必要があります。
まとめ
年齢を重ねると、すり足になったり、背中が丸まり身体のバランスがとりづらくなったりしますが、転びにくい靴を選ぶことで転倒リスクを最小限に抑えられます。
靴は、わたしたち「人間の土台」ともいえるアイテム。
一度の転倒で、とりかえしのつかない事態に陥らないためにも、「靴」と真剣に向き合ってみることをおすすめいたします。